ここにあるのは古いバージョンの情報です.技術的な興味のために残して あります
平田さんの dvipdfmの日本語化 *1 によって,TeXを使って非常に高品質な日本語PDFを作れるようになりました. このdvipdfmの唯一の難点は,日本語文字列の含まれたEPSファイルの扱いです. EPSファイルは,ghostscriptによってPDFに変換されてから取り込まれますが, この変換で日本語文字列はビットマップになります.
つまり,dvipdfmというよりはghostscript側の問題ですが,このように文字列 がビットマップになってしまうと,Acrobat Readerでの表示が非常に醜くなり ますし,生成時の解像度に依存するため,後の印刷を考えても好ましくありま せん.
もちろん,フォントのヒンティングやテキストの検索を考えれば, `ghostscriptそのものを修正する',`CIDフォントにして埋め込む',というこ とをすべきですが,ここでは単に`ビットマップにしない',ということのみを します.つまり,PostScriptのshowオペレータを変更し,charpathとfillを呼 ぶようにするわけです.せいぜいtgifやidrawなどの単純な(文字列の表示に showしか使っていない) EPSくらいしかまともに扱えませんが,とにかく Acrobat Readerで綺麗に見えるPDFになります.
以下のものをダウンロードして適当な場所に置きます.Windowsの場合は dvipdfa-win32を,その他の場合はdvipdfaをダウンロードしてください. ad-hoc-show.proについては必ずダウンロードします.適当な場所に置いたら dvipdfaまたはdvipdfa-win32内のADHOCSHOWのパスを適宜変更してください.
通常のdvipdfmと同じように使います.
$ dvipdfa foo.dvi
これはこのページにある内容とは別の(まともな)やり方になりますが,gs 7.xであれば,日本語CIDフォントを埋め込んだPDFを作ることができます.こ の設定については角藤さんの CID Font in GS を参照してください.
そのまま使うには起動が遅いのが難ですが,この点についてはバッチで各 EPSファイルをPDFファイルに変換するようなPostScriptコードを作ってそれを 使い,生成されたPDFをincludegraphicsするようにすればよいでしょう.
tgifについては,PSfrag相当のことをdviドライバに依存しない形でやってく れる tgif2tex というツールがあります.
PSfragと同様,文字と図形の前後関係はうまく処理できませんが(文字が常に 前),数式なども簡単に扱え,しかもPSfragのように置き換えの指定をせずに (直接図形の中に記述するだけで)済みます.
中丸 幸治
*1土村さんによる最終版のミラーサイト.
現在の開発は
dvipdfm-cjk
に移行