Linux版のAcorbat Reader (ver. 4およびver. 5)は,lpr経由で印刷を行なう 際,(拡大/縮小などを行なわない限り)内容を本来の位置からやや右下に移動 して印刷します。また,ver. 5の場合,出力されるPostScriptのコードは ghostscriptでエラーになります。これらを解決することが,このページの目 的です。
注:Adobe Reader 7.0では,acrolprは不要になったようです。
まず,Acrobat Readerのインストール方法や,使用する際の有用な情報につい ては,奥村さんの Acrobat Reader を参照して下さい。
次のacrolpr.plをダウンロードして実行パスの適当な場所におきます。
そして,.Xresourcesなどで次のように指定して下さい。
AcroRead*lprCommand: acrolpr.pl
これで,Print Dialogが表示されると,Printer Commandに/usr/bin/lprでは なくacrolpr.plが表示されます。acrolpr.plに続いてlprのオプションを指定 することも可能です。
なお,
acrolpr.pl -f foo.ps
のように-fによるオプションを指定すると,印刷をせず,位置やghostscript に関する問題を修正した内容をファイルに書き出します。
残念ながらAcrobat Reader 5の場合,設定によってはまっとうなPostScriptプ リンタでも正しい印刷にならならいことがあります。あるPostScriptプリンタ では,次のようにLanguage Level 2だけをONにすると正しい印刷になりました。
また,gnu-gs-7.05の場合,次のようにするのがよさそうです。
gnu-gs-7.05に対し,Print DialogではLanguage Level 2でも正しく処理でき るファイルができます。ところが,-toPostScriptでPostScriptファイルをつ くると-level2ではうまくいきません。他にも指定の有無によって正しく印刷 できたりできなかったりします。少し試したところでは,次のような指定をす るとgnu-gs-7.05で正しく処理できるファイルが生成されるようです(bar.psが 最終的なファイル)。
acroread -toPostScript -level1 -saveVM -size a4 foo.pdf acrolpr.pl -f bar.ps foo.ps
なお,このようなコマンドラインからの印刷に限れば,Acrobat Reader 4を併 用する方法や,gnu-gs-7.05によって直接pdfを印刷する方法もあります。
中丸 幸治