(home)

dvipdfa (old method)

ここにあるのは古いバージョンの情報です.技術的な興味のために残して あります

平田さんの dvipdfmの日本語化 *1 によって,TeXを使って非常に高品質な日本語PDFを作れるようになりました. このdvipdfmの唯一の難点は,日本語文字列の含まれたEPSファイルの扱いです. EPSファイルは,ghostscriptによってPDFに変換されてから取り込まれますが, この変換で日本語文字列はビットマップになります.

つまり,dvipdfmというよりはghostscript側の問題ですが,このように文字列 がビットマップになってしまうと,Acrobat Readerでの表示が非常に醜くなり ますし,生成時の解像度に依存するため,後の印刷を考えても好ましくありま せん.

もちろん,フォントのヒンティングやテキストの検索を考えれば, `ghostscriptそのものを修正する',`CIDフォントにして埋め込む',というこ とをすべきですが,ここでは単に`ビットマップにしない',ということのみを します.つまり,PostScriptのshowオペレータを変更し,charpathとfillを呼 ぶようにするわけです.せいぜいtgifやidrawなどの単純な(文字列の表示に showしか使っていない) EPSくらいしかまともに扱えませんが,とにかく Acrobat Readerで綺麗に見えるPDFになります.

目次

更新情報

Apr 15 2002
tgif2texの記述を追加 (Rijさんの指摘より: qa7945).
Apr 14 2002 (21:50)
NOBINDを指定するとgs 6.53でうまく動かないという問題を修正 (奥村さんの指摘より: [qa7940). CIDフォントを利用する方法についての記述を追加 (角藤さんの指摘より: [qa7941).
Apr 14 2002
このページを作成.

インストール

以下のものをダウンロードして適当な場所に置きます.Windowsの場合は dvipdfa-win32を,その他の場合はdvipdfaをダウンロードしてください. ad-hoc-show.proについては必ずダウンロードします.適当な場所に置いたら dvipdfaまたはdvipdfa-win32内のADHOCSHOWのパスを適宜変更してください.

dvipdfa
`-D'オプションの指定をしてdvipdfmを呼び出すシェルスクリプト.
dvipdfa-win32
dvipdfaのWindows版.gsではなくgswin32cを使うように少し変えてあるだけ.
ad-hoc-show.pro
showオペレータを変更するPostScriptのコード.

使い方

通常のdvipdfmと同じように使います.

$ dvipdfa foo.dvi

別解

CIDフォントにして埋め込む

これはこのページにある内容とは別の(まともな)やり方になりますが,gs 7.xであれば,日本語CIDフォントを埋め込んだPDFを作ることができます.こ の設定については角藤さんの CID Font in GS を参照してください.

そのまま使うには起動が遅いのが難ですが,この点についてはバッチで各 EPSファイルをPDFファイルに変換するようなPostScriptコードを作ってそれを 使い,生成されたPDFをincludegraphicsするようにすればよいでしょう.

tgif2tex

tgifについては,PSfrag相当のことをdviドライバに依存しない形でやってく れる tgif2tex というツールがあります.

PSfragと同様,文字と図形の前後関係はうまく処理できませんが(文字が常に 前),数式なども簡単に扱え,しかもPSfragのように置き換えの指定をせずに (直接図形の中に記述するだけで)済みます.

作者

中丸 幸治


*1土村さんによる最終版のミラーサイト. 現在の開発は dvipdfm-cjk に移行